コラム

インドネシア人の平均年収|日本で働く理由・男女の月収差・給料が高い職業企業

その他

2025/2/1
2025/2/1

少子高齢化による人手不足の対策として、外国人人材を受け入れている企業は増え続けています。その中でも、日本での雇用増加率が大きく増加しているのがインドネシア人です。インドネシアの年収事情や日本で働く理由などを知っておくと、インドネシア人が快適に働ける職場づくりに役立ちます。
ここでは、インドネシア人の雇用を検討している企業の担当者に向けて、インドネシアの平均年収や日本で働く理由、男女格差などを解説します。インドネシア人を雇用する際に役立つ情報ですので、今後の参考にしてみてください。

インドネシア人の平均年収

インドネシア人の雇用を検討している企業担当者にとって、インドネシアの平均年収を知ることは、適切な雇用条件を設定する上で欠かせない要素です。ここではインドネシアの平均年収を紹介するとともに、日本との差について紹介します。

2024年のインドネシアの平均年収

2024年8月のインドネシア人の平均月収は約327万ルピアです。月収から年収を推定すると約3,900万ルピアとなります。
インドネシアで使用されている通貨の「ルピア」は、2025年1月末時点では日本円に換算すると1円=約103ルピアのため、インドネシアの平均月収は約3万2000円、年収は約38万円です。これはインドネシア全土の労働者を対象にしたもので、ジャカルタなどの都市部では高く、地方では低い傾向があります。

一方、国税庁によると日本の平均年収は約460万円です。コロナ禍の影響を克服し、2022年以降5%前後の経済成長を遂げているインドネシアでもまだ日本の1/12と給与水準が低いことが分かります。
(参考元:BADAN PUSAT STATISTIK、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」)

2025年以降のインドネシア平均年収予想

2025年のインドネシアの平均年収を予想するには、経済成長率やインフレ率、最低賃金増加率などを考慮し、2023年と2024年の平均給与上昇率から推定する必要があります。

インドネシアの経済成長率は、ここ数年5%前後、インフレ率2~4%、2023年と2024年の平均給与上昇率が約6%で推移しています。さらにジャカルタ特別州の最低沈金増加率は2024年が3.4%、2025年が6.5%と定められました。

また、2024年11月にインドネシアのプラボウォ大統領が、2025年の最低賃金を前年比で6.5%引き上げるという発表もありました。

これらのことから2025年のインドネシアの平均年収上昇率は6~6.5%と推定され、2024年の年収を3,900万ネピアとすると、4,130万~4,150万ルピアになると予想されます。日本円に換算すると、40.1万〜40.3万円です。

学歴別に見るインドネシア人の平均年収

インドネシアの学歴別平均年収(2024年8月時点)

最終学歴 平均月収(日本円換算) 平均年収(日本円換算)
小学校卒業 214万ルピア(約2.08万円) 2,782万ルピア(約27万円)
中学卒業 238万ルピア(約2.31万円) 3,094万ルピア(約30万円)
高校卒業(普通科) 309万ルピア(約3.0万円) 4,017万ルピア(約39万円)
専門学校卒業 425万ルピア(約4.13万円) 5,525万ルピア(約53.6万円)
大学卒業 496万ルピア(約4.82万円) 6,448万ルピア(約62.6万円)

インドネシアでは、学歴が年収に大きく影響しています。専門的な知識やスキルを持つ人材は不足しており、高学歴者ほど高い給与を得やすい状況です。
大学卒業者の平均年収は約5,800万ルピア、インドネシアの平均年収の約1,5倍になっています。

インドネシアの男女月収に差はある?

インドネシアは、性別による月収差があり、男性の方が女性よりも高い給与をもらっています。
男性の平均月収は323万ルピア(約3.1万円)、女性は240万ルピア(約2.3万円)です。(※2023年時点)
男性の方が83万ルピア(約8060円)も多く給与をもらっています。

2023年の失業率は、男性5.42%、女性5.15%で、労働力人口に占める大卒者の失業率は、女性が17.61%、男性が8.75%です。(※2024年7月公表データ)
これらからわかるように、インドネシアにおける男女の労働環境は、女性にとって厳しいものとなっています。

(参照元:BADAN PUSAT STATISTIK「Tingkat Pengangguran Terbuka Berdasarkan Jenis Kelamin, 2021-2023」)

インドネシアで高収入を期待できる職業

職種別平均月収(※2024年8月時点)

職種 平均月収(日本円換算)
技術職・専門職 371万ルピア(3.6万円)
管理職 714万ルピア(6.9万円)
管理事務職 347万ルピア(3.4万円)
営業職 268万ルピア(2.6万円)
サービス業 210万ルピア(2.0万円)
農業・漁業従事者 210万ルピア(2.0万円)
生産スタッフ・肉体労働者・輸送機器オペレーター 271万ルピア(2.6万円)

インドネシアも日本と同じように、管理職が高収入を得ており、農業や漁業従事者は低賃金の傾向があります。
管理職の平均月収は約724万ルピアですが、農業・漁業従事者は約225万ルピアで約3.2倍も差があり、職種間の給与格差は大きいことが分かります。

(参照元:BADAN PUSAT STATISTIK「Rata-rata Upah/Gaji Bersih Sebulan Buruh/Karyawan/Pegawai Menurut Provinsi dan Jenis Pekerjaan Utama, 2024」)

インドネシア人が日本で働く理由


日本で働いているインドネシア人は、121,507人で6番目に多く、前年増加率は56%と最も高くなっています。(※令和5年10月末時点)
これだけ多くのインドネシア人が日本で働いているのにはさまざまな理由があるからです。
ここでは、インドネシア人が日本で働く主な理由を紹介します。

(参照元:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況表一覧)

高収入を目指せる

日本の平均給与は、インドネシアに比べると10倍以上です。そのため、インドネシア人にとって自国で働くよりも日本で働く方が高収入を得られる可能性があります。
さらに、日本で働くことで得られた経験やスキルは、帰国後に大きなアドバンテージとなり、母国で高収入を得られるチャンスにつながります。
このように、高収入を目指せるだけでなく長期的なキャリアの形成も期待できることが、日本で働くインドネシア人が増加している理由となっています。

治安の良さ

日本は世界的にかなり治安のいい国として知られていることも、インドネシア人が日本で働く理由です。
くわえてトラブルに巻き込まれたとき、警察の対応が迅速であるため安心して日常生活を過ごせます。特に女性にとっては、夜間でも比較的安全に歩けるなど、魅力的な要素になっているかもしれません。

安全で快適な労働環境

日本の労働環境はしっかりと整備されているため、インドネシア人も安全で快適に働けます。インドネシア人は、国外の職場で理不尽な扱いを受けないかを心配している方が少なくありません。その点、日本は外国人労働者も、日本人と同じように扱うことが法律で定められているので安心です。

職場や生活へ適応できるかも大きな不安となっていますが、日本には技能実習制度や特定技能制度が創設されており、日本での仕事や生活への適応支援を受けられます。また、日本では最低賃金や時間外労働に対して割増賃金が法律で義務付けられているため、低賃金で奴隷のように働かせられる心配もありません。

さらに日本の多くの企業では、福利厚生が充実しています。社会保険や健康診断、寮の提供などインドネシア人が快適に生活できる仕組みが整っています。このように安全で快適な労働環境が整備されていることが、日本で働いているインドネシア人が増加している理由のひとつです。

シンプル業務で働きやすい

日本には、職種にこだわらなければ、業務内容が比較的シンプルで特別な技術や知識を必要としないにもかかわらず、インドネシアで働くよりも高い給料をもらえる仕事があります。そのような仕事は、マニュアル通り作業を進めるだけでよいので、日本語能力が十分でない外国人でも働きやすいです。

また、日本は人手不足のため、積極的に外国人人材を受け入れている企業が多くあります。そのような企業は、スムーズに仕事ができるようサポートしてくれるところが多く、職場でのストレスをそれほど感じずに働くことができます。

インドネシアと日本での収入の比較


インドネシアと日本では、収入や生活費に大きな違いがあります。ここでは、両国の物価や生活費、収入を比較し、インドネシア人が日本で働くことが経済に与える影響を説明します。

物価や生活費を考慮した収入の違い

収入はインドネシアよりも日本の方が高いですが、物価や生活費も高いので日本での生活の方が楽というわけではありません。
日本の平均給与はインドネシアの約12倍です。しかし、インドネシアの物価や生活費は日本の2〜5割であるため、インドネシアでは本業の収入だけでは生活できなく副業をしている人が多くみられます。

日本で働くことが経済に与える影響

多くのインドネシア人は、日本で働いた給料から一定額を母国の家族に送金しています。日本からのインドネシアへの送金総額は明らかとなっていませんが、日本で働いているインドネシア人が10万人以上いることを考えると、年間数百億~千億にのぼると推定でき、インドネシアにとって重要な収入源となります。
日本で働いているインドネシア人は、帰国後に身につけたスキルや知識を活かしインドネシア経済の成長や安定に大きく貢献しています。

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まとめ

インドネシアの平均年収や日本で働く理由などを紹介しました。インドネシアの平均年収は経済成長に伴い徐々に上昇しています。しかし、日本に比べると依然として低い水準にあるため、高収入を目指し多くのインドネシア人が日本で働いています。インドネシアの物価は日本に比べると安いため、日本で稼いだお金を母国の家族に送り養っている人が多いようです。
給与面だけでなく働きやすい環境の整備や生活のサポート体制を整えることが、優秀なインドネシア人の確保につながるでしょう。

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