コラム

【最新版】特定技能12分野・14業種の内容と変更点とは?職種一覧と受け入れ状況をまとめました!

特定技能

2024/10/30
2024/11/1

特定技能制度は、外国人労働者の受け入れを拡大する重要な枠組みです。この制度では、さまざまな分野と業種が広範囲にわたり追加や変更が行われ、日本の労働市場におけるニーズの変化に応じて柔軟に対応しています。

この記事では、新たに追加された分野と業種をわかりやすくまとめてご紹介します。特定技能制度の全体像を把握して受け入れ状況や就業機会をより良く捉えていきましょう。

特定技能とは?

特定技能とは、特定の分野において専門技能を持つ外国人が日本で働くことができる外国人労働者受け入れ制度のことです。
特定技能は、技能職に関連する分野が細かく区分されています。
それでは、特定技能について詳しくみていきましょう。

特定技能制度の背景と目的

特定技能制度は、日本の労働市場における人手不足を解消するために導入された重要な制度です。なかでも、建設業、宿泊業、農業などの分野では、配慮した人材の確保が急務とされています。

このような背景のなか、特定技能制度は2019年4月に施行されました。 この制度の主な目的は、外国人労働者を特定の業種で受け入れることで、労働力不足を緩和し、産業の持続的な成長を支えることです。 特定技能は、特定の職業に必要な技能を持つ外国人が日本で働くことを可能にし、受け入れを促進するために設けられています。
特定技能認定には、12の分野と14の業種が設定されており、これにより日本の労働市場のニーズに柔軟に対応することができます。各業種には、必要な技能レベルや資格が定められており、受け入れ対象の外国人はこれらの基準を満たさなければ働くことができません。このような危機的な評価基準により、質の高い人材が日本で働いてくれることが期待されています。

さらに、特定技能認定は日本の国際化にも取り組んでいます。多様な国籍の労働者が日本で働くことで、文化や価値観の交流が生まれ、社会全体の活性化にもつながると考えられます。特定技能を持つ外国人は、一定の条件を満たすことで家族を呼び寄せることができ、長期的な視点で日本での生活を築くことが可能になります。

このように、特定技能認定は日本の労働力不足の解消だけでなく、国際的な人材交流の促進や社会の活性化にも応える制度として、今後ますます重要な役割と期待されているのです。

特定技能1号と特定技能2号の違い

特定技能1号と2号は、日本の特定技能制度における外国人労働者の在留資格で、違いがあります。

特定技能1号は、特定の分野において一定の技能を持つ外国人が対象です。所属機関または登録支援機関による支援の対象となっており、 1号の在留期間は最大5年間、原則として家族の帯同は認められていません。

一方、特定技能2号は、さらに高度な技能を持つ労働者が対象で、特定技能1号からの移行が可能です。所属機関または登録支援機関による支援の対象外となりますが、2号に認定されると在留期間の制限がなくなり、永住権を取得することもできます。また、2号の資格を持つ外国人は家族を日本に呼ぶことができ、生活の安定性が向上します。特定技能2号は、主に建設業や製造業など、専門的な技術が求められる場合に適用されます。

要約すると、特定技能1号は特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格、特定技能2号は特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格となります。

【2024年最新情報】の特定技能職種の変更点・追加情報

2024年の特定技能における変更点は、特定技能制度の見直しにともない、より柔軟で効率的な外国人労働者の受け入れを目指すものとなりました。
日本の労働市場におけるニーズの変化に対応するため、いくつかの変更がされています。

特定技能認定は従来の12分野に加え、ITエンジニアやプログラマーといった区分を新たに認めることで、急速に進化するデジタル社会に対応しています。この変更内容は、急速に技術革新が求められる業界において、適切な人材を確保するために必須です。

従来、特定技能1号の外国人労働者は、それぞれの分野で技能試験に合格することが必須です。しかし、これが緩和されることでより多くの外国人が2号への移行を目指すことが可能となりました。特定技能2号は、在留期間の制限がなく、家族の帯同も可能なため、長期的な労働を希望する外国人にとって大きなメリットとなります。

さらに、特定技能制度全体の運用に関して、企業側のサポート体制も強化されることが決定しました。 具体的には、外国人労働者の受け入れを希望する企業に対して、手続きの簡素化や必要な情報提供を行う窓口が設けられる予定です。これにより、企業が外国人を雇用する際のスピードが下がり、より多くの企業が特定技能制度を活用することが期待されています。

また、受け入れの分野や業種の見直しがおこなわれ、特に地方での労働力不足を補うために、地方自治体と連携した受け入れプログラムも導入される見込みです。これにより、地方での人手不足の解消にもつながっていると考えられています。

これらの変更点は、日本の労働市場の変化に適応し、特定技能制度を通じて多様な人材を受け入れるための取り組みの一環です。 外国人労働者の受け入れが進むことで労働力不足の解消だけでなく、文化的な交流や経済の活性化にもつながります。

特定技能2号 業種の詳細

特定技能1号による外国人の受入れ分野(特定産業分野)は、以下の12分野です。そのうち、特定技能2号での受入れ対象は、介護分野以外の11分野となります。
介護分野については、現行の専門的・技術的分野の在留資格「介護」があることから、特定技能2号の対象分野とはしていません。

  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

特定技能2号は、特定の業種での専門的な技能を持つ外国人労働者に対して、日本での長期的な就業機会を提供する重要な制度です。多様な業種が対象となり、労働市場における人手不足の解消や国際化の促進に寄与しています。
特定技能2号を活用することで、外国人労働者は専門性を活かし、充実した生活を築くことができるでしょう。

法務省の最新ガイドラインとは?

法務省の最新ガイドラインでは、特定技能制度や外国人労働者に関する政策の具体的な運用基準や手続きについての指針を示しています。これにより、企業や外国人が制度を正しく理解し利用できるようにサポートされています。
以下は、ガイドラインの主なポイントです。

特定技能制度の概要

特定技能制度は、日本における外国人労働者の受け入れを促進するために設けられた制度で、特定の業種や職種において専門的な技能を持つ外国人が働くことを可能にします。ガイドラインでは、特定技能1号と2号の違いや、対象となる業種が明確に示されています。

受け入れの流れ

ガイドラインでは、特定技能を持つ外国人労働者を受け入れる際の手続きが具体的に説明されています。具体的には、企業が行うべき準備や、外国人が必要とするビザの取得手続きなどが含まれています。

技能評価試験

特定技能を取得するためには、技能評価試験に合格する必要があります。ガイドラインでは、試験の内容や実施機関、合格基準についての情報が提供されており、受験者が準備しやすくなっています。

在留資格の詳細

特定技能1号と2号の在留資格について、在留期間や家族の帯同についての詳細な条件が示されています。特定技能2号の在留資格を持つ外国人が家族を呼び寄せることができる点や、在留期間に制限がない点が強調されています。

労働環境の整備

ガイドラインでは、外国人労働者が安心して働ける環境を整えるための企業の責任についても言及されています。具体的には、適切な労働条件や生活支援の提供、トラブル時の相談窓口の設置が求められています。

定期的な見直し

法務省は、社会情勢や労働市場の変化に応じてガイドラインを定期的に見直し、最新の情報を反映させる方針です。これにより、特定技能制度が常に効果的に運用されることを目指しています。

【一覧まとめ】特定技能の12分野の内容と雇用形態

ここでは、特定技能制度の12分野を詳しく紹介し、それぞれの業種の内容や雇用形態について挙げていきます。

介護

介護分野では、技能実習制度と特定技能1号のどちらも重要な役割を果たしています。

身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)技能が求められます。 最初の在留期間は最長5年で、更新が可能です。ただし、家族の帯同は認められていません。特定技能1号を取得するためには、介護技能評価試験に合格することが必須です。この試験では、介護に関する基本的な知識と技能が評価されます。

特定技能1号と特定技能2号の違いは、特定技能2号のほうがより高度な技能を有する外国人を対象とした在留資格です。介護分野では、特定技能2号が設けられていませんが、以下のスキルが求められます。

・基本的な介護技術: 食事介助、入浴介助、排泄介助、移動介助など、日常生活における基本的な支援技術が必要です。
・コミュニケーション能力: 利用者との良好な関係を築くために、適切なコミュニケーションが求められます。特に、認知症の方や言葉が通じにくい方との対話能力が重要です。
・理解力と観察力: 利用者の状態を観察し、変化に気付く能力が必要です。体調の変化や心理的な状況を理解することが求められます。
・衛生管理: 介護現場では、感染症予防や衛生管理が非常に重要です。清潔を保つための知識や手順を理解することが求められます。

日本の介護分野は、重要性を増しています。特定技能を持つ外国人がこの分野で活躍することで、質の高い介護サービスを提供し続けることが課題です。

ビルクリーニング

ビルクリーニング分野は、日本のビルメンテナンス業界において外国人労働者の求人が増加しています。清掃や設備管理のプロフェッショナルを育成し、衛生的で快適な環境を提供する重要な役割を担う職種です。

特定技能1号、12の特定産業分野のうち特定技能2号の受け入れが可能な業種です。ただし、ビルクリーニングにおける特定技能2号を取得するためには、「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」または「ビルクリーニング技能検定1級試験」に合格していること、現場管理の実務経験2年以上であることが必須です。

ビルクリーニング業務は、商業施設やオフィスビルの清掃、メンテナンス、環境の衛生管理が主な業務になります。ビルクリーニング分野においても他の14業種同様、技能試験や日本語試験に合格しなければなりません。

特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。ビルクリーニング分野の特定技能外国人は、従来と違い住宅以外の建築物の内部の清掃業務に従事できます。

このような理由から、厚生労働省が実施する試験には、ビルクリーニングに関する基本的な知識(道具や洗剤の使用方法など)と実務に必要な技能が問われます。

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

素形材・産業機械・電気電情報関連製造業分野は、素材や機械装置、電子機器などの部品製造や加工をおこなう業務で、多くの技能実習や高度な技能が求められます。以前は、素形材・産業機械・電気電子情報の3つのカテゴリーに分かれていましたが、受け入れの簡素化や人数上限の緩和といった理由から統合されました。

産業機械製造業は、生産ラインに必要な機械装置や部品を設計・製造する業務です。これは、自動車製造ラインの機械や食品加工機械など、産業向けの大型装置の製造に関連しています。
特別な試験はありませんが、就労にあたって「特定技能評価試験」の合格が必要です。
産業機械製造業は、生産ラインに必要な機械装置や部品を設計・製造する業務です。これは、自動車製造ラインの機械や食品加工機械などの業種といった産業向けの大型装置の製造に関連しています。

産業機械製造業は「特定技能」の14業種に含まれる「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」に統合されています。特定技能1号としての就労が認められるため、在留資格を取得した外国人がこの分野で働くことが可能です。
電気電子情報は、電子部品や情報通信機器、半導体など、IT・通信関連の機器を製造しています。高度な電気知識と組立技術が必要で、日本の技術水準を維持するために重要な役割を果たしています。

電気電子情報関連製造業は特定技能制度の12業種に含まれており、製造業の多様な業務に従事することができます。
統合されたとはいえ、それぞれのカテゴリーで製品の生産プロセスや精密な機器操作に関連した専門的な知識が必要とされ、技術職の訓練と経験が重視される業界です。

建設業

建設業分野は、人々が生活するために必要なものや、より便利な暮らしができるようにするものをつくる業務で土木、建築、ライフライン・設備の3つに分けられます。

建設業の特定技能試験は、日本国内で実施されており、業務に必要な技術と知識を評価する内容となっています。合格者は、特定技能1号の在留資格を取得し、日本での就労が可能です。建設業では、技能実習制度も存在しており、技能実習生は特定技能に向けた基礎的なスキルを習得するために日本で働くことができます。その結果、技能実習から特定技能1号に移行する道もあります。

さらに、特定技能2号の対象となるのは、特定の高度な技術が求められる職種に限られます。
造船・舶用工業
造船・舶用工業は、日本の特定技能制度の対象分野の一つで、船舶の製造、修理、メンテナンスに関連する業務を指します。この分野は、日本の製造業の中でも特に熟練した技能が必要とされるため、外国人労働者の受け入れが進められています。

なかでも、造船・舶用工業は特定技能2号が認められている分野の一つです。
業務内容は、船体の溶接、組立、配管作業などで技術力が求められます。特定技能1号の取得には、造船業務に関する技能評価試験の合格が必要です。
これは、日本国内外で実施されており、技能や知識の基礎が問われます。造船・舶用工業は、技能実習制度も適用されており、技能実習から特定技能1号への移行も可能です。技能実習制度は、技能習得を目的としたものであり、期間内での技術向上が求められる一方、特定技能は即戦力の人材としての就労を目的としています。

自動車整備

自動車整備分野は、エンジンやブレーキ、電装系の修理・点検業務に関連する業務をさします。自動車整備分野での就労を希望する外国人は、自動車の基本的な知識と技術を証明する「自動車整備分野特定技能評価試験」に合格し、日本語能力試験で一定の日本語レベルを示す必要があります。

自動車整備分野は、他の分野と同じで技能2号の対象業種に含まれています。しかし、自動車整備分野で特定技能2号の在留資格を取得するには、試験日の前日までに地方運輸局長の認証を受けた事業場で自動車の分解、点検、調整などの整備作業の実務経験が3年以上必要です。

注意点は、塗装業務は特定技能の対象職種には含まれていません。そのため、塗装を専門とする外国人労働者の受け入れは現在の特定技能制度では対象外です。

航空

航空
航空分野は、2023年の法改正により、航空分野が新たに特定技能2号の対象として追加されました。この改正は、空港内のグランドハンドリングや航空機の整備支援に携わる外国人労働者の受け入れをさらに拡大し、長期的な雇用安定を図ることを目的としています。

航空業界では即戦力の人材が求められており、特定技能2号の適用により、経験とスキルを蓄積した外国人労働者が管理的・高度な業務に携わることができるようになりました。ただし、試験を受けるには、航空会社や航空機整備会社において、国家資格整備士等の指導や監督の下でのドック整備、材料・部品等の領収検査等、機体や装備品等の専門的・技術的な整備業務に3年以上従事しなければなりません。

宿泊

宿泊業分野は、特定技能1号で、宿泊施設でのフロント業務、接客、清掃などの一般業務に従事することが認められており、資格取得には「宿泊分野特定技能評価試験」に合格する必要があります。この試験では宿泊業務に必要な基礎的知識と技術が問われ、「フロント業務」「広報・企画業務」「接客業務」「レストランサービス業務」「安全衛生その他基礎知識」の5つのカテゴリから出題されます。それに加えて、日本語能力試験でN4相当のレベルが求められます。

さらに、特定技能2号を取得するには、宿泊分野特定技能2号評価試験に合格し、宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験がなけれななりません。

宿泊業界における特定技能2号の適用は、日本の人手不足を補い、長期的な労働力の確保と拡大を目指す大きな一歩として注目されています。

農業

農業分野は、特定技能1号で、農作物の栽培、収穫、選別、畜産の飼育管理などの業務に従事できます。この資格を取得するためには「農業分野特定技能評価試験」に合格する必要があり、基本的な技術と日本語能力が求められます。特定技能1号では、即戦力の人材として、日本の農業従事者不足を補うことが期待されています。

2023年の法改正により、農業分野も特定技能2号の対象となりました。特定技能2号は高度な技術や管理業務に対応する資格で、無期限の在留と家族帯同が可能です。農業における特定技能2号は、現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験又は現場における3年以上の実務経験が必須となります。

技能実習との違いは、技能実習制度は、技術の習得を目的とし、将来的に母国で技術を活用することが期待される制度です。一方、特定技能は日本の即戦力としての就労が目的で、長期的な定住も視野に入れた制度設計がされています。

特定技能では、派遣労働も認められており、繁忙期などに人手不足が生じやすい農業分野では、この制度を活用して短期間での人材配置の拡大を図っています。

漁業

漁業分野は、外国人労働者が漁業・養殖業に従事することで特定技能1号の取得が可能です。これには漁船での漁獲作業や養殖施設での飼育管理など、漁業における基礎的な作業が含まれます。特定技能1号資格取得には、「漁業分野特定技能評価試験」と日本語能力試験の合格が必要で、試験では基本的な知識と技術が求められます。

また、2号漁業技能測定試験を受験するためには2年以上、日本国内での管理者等としての漁業又は養殖業の実務経験が必要となります。業・養殖業では季節に左右されるため、派遣制度を活用した効率的な人材配置が進んでいます。
飲食料品製造業
飲食料品製造業は、酒類を除く飲食料品の製造、加工、安全衛生など、飲食料品を製造する過程全般においての業務のことです。特定技能1号では、飲食料品製造業での基本的な製造作業に従事することが認められています。たとえば、食品の加工、包装、品質管理などが含まれます。資格取得には「飲食料品製造分野特定技能評価試験」の合格が必要で、基本的な製造技術や衛生管理に関する知識が求められます。

特定技能2号の要件は、飲食料品製造業 特定技能2号技能測定試験への合格と、2年以上の飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験が必須です。複数の作業員とは、2名以上の技能実習生やアルバイト、従業員及び特定技能外国人などを指します。試験も日本語でルビ(ふりがな)は付かないため、難易度は高いといえるでしょう。

特定技能1号の試験内容や要件も、飲食料品製造業の実務に即した形に変更され、外国人労働者が即戦力として働きやすくなるような配慮がなされています。

外食業

外食業
外食業分野は、接客、調理、洗浄などの業務で、従事するには、「外食業分野特定技能評価試験」に合格する必要があります。この試験では、日本語能力と業務に必要な基本的な知識や技術が評価されます。

それに対し、特定技能2号は、外食業特定技能2号技能測定試験への合格、日本語能力試験(JLPT)N3以上の取得に加えて、
飲食店で複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャー等)としての2年間の実務経験が必要です。試験も飲食料品製造業同様、日本語でルビ(ふりがな)は付かないため、難易度は高いといえるでしょう。

技能実習制度は、主に技術習得を目的としており、母国に技術を持ち帰ることが目的とされます。一方、特定技能制度は即戦力としての就労を目的としており、特定技能1号では基本的な業務に従事し、特定技能2号では管理職務や専門的な業務を担うことが求められます。

特定技能の取得方法

それでは、特定技能の取得に向けた手順ついて詳しくみていきましょう。

特定技能の取得手順

特定技能の取得手順は、以下のとおりです。

  1. 試験準備
    特定技能を取得するには、まず対象分野の「特定技能評価試験」に合格しなければなりません。試験は各業種ごとに設定されており、実務に基づいた知識や技術が評価されます。また、日本語能力試験も受験し、所定のレベルに合格することが求められます。
  2. 試験受験
    評価試験の申し込みをおこない、試験日程に合わせて受験します。合格すれば、特定技能1号の資格が得られます。
  3. 就労先の決定
    試験に合格した後は、就労先の企業を見つけます。企業は、特定技能制度に基づく受け入れ機関として認められていることが必須条件です。条件に合う企業との契約を結び、労働条件について合意すると就労先が決定となります。
  4. 在留資格の申請
    就労先が決まったら、次に在留資格の申請を行います。申請には、合格証明書、就労契約書、身分証明書などの書類が必要です。申請手続きは出入国在留管理庁でおこないます。
  5. 在留資格の取得
    申請が承認されると、特定技能の在留資格が与えられます。特定技能1号の場合は、最長5年間の在留が可能です。
  6. 就労開始
    在留資格が取得できたら、日本での就労を開始します。特定技能制度を利用することで、日本の労働市場での経験を積みながら、キャリアを築いていくことができます。

特定技能の試験内容と準備・対策

特定技能試験に合格するための準備と対策を項目別に説明します。

技能試験

特定技能1号は、主に基礎的な業務をおこなうための資格です。試験は各業種ごとに実施されており、12職種が対象となっています。
それぞれの職種で、実務に基づいた技術や知識が評価される技能試験が行われます。たとえば、建設業では左官や塗装、溶接の技術が問われ、農業では作物の栽培や管理技術、畜産分野においても評価されます。また、養殖業では、魚の管理や環境整備に関する知識が求められます。

特定技能2号は特定技能1号での実務経験を前提に、より高度で専門的なスキルを求められる業種です。2023年の法改正で11職種(介護は対象外)特定技能の対象となり、現場のリーダーや管理者レベルの知識や経験が必要となっています。試験内容は特定技能1号よりも専門的で、管理能力や効率的な業務遂行の技術が問われます。

各業種の技能試験は以下のようになります。

職種 技能試験
介護 介護技能評価試験
ビルクリーニング ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
工業製品製造業 製造分野特定技能1号
建設 建設分野特定技能1号評価試験等
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野特定技能1号試験等
自動車整備 自動車整備分野特定技能1号評価試験等
航空 航空分野特定技能1号評価試験
宿泊 宿泊分野特定技能1号評価試験
農業 1号農業技能測定試験
漁業 1号漁業技能測定試験
飲食料品製造業 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験
外食業 外食業特定技能1号技能測定試験

日本語能力試験

日本語能力試験とは、独立行政法人国際交流基金と公益財団法人日本国際教育支援協会が主催する日本語を母国語としない人たちの日本語能力を測定し、認定する試験のことです。
日本語能力試験には、5段階(N1、N2、N3、N4、N5)のレベルにわかれており、できるだけきめ細く日本語能力を測はかるために、試験問題はレベルごとに違います。

技能実習の場合は、入国時の試験はありません(介護職種のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり)。しかし、特定技能の場合は、日本語能力水準を試験などで確認をします。
その場合、業種によって基準が違うため事前の確認が必須です。各業種の日本語能力試験基準は以下のようになります。

職種 日本語能力試験基準
介護 国際交流基金日本語基礎テスト
又は日本語能力試験(N4以上)
(上記に加えて)介護日本語評価試験
ビルクリーニング 国際交流基金日本語基礎テスト
又は日本語能力試験(N4以上)
 
工業製品製造業
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業

試験の実施方法

以前は日本国内での受験対象者が「中長期在留者及び過去に中長期在留者として在留していた経験を有する方」と限られていました。しかし、令和2年4月1日以降の国内試験の受験資格は在留資格を有している方と範囲が拡大されたのです。

これにより、短期滞在をもって日本に在留する方でも受験が可能となりました。試験は業種ごとに分かれ、試験の実施方法には筆記試験と実技試験があります。試験内容は以下の通りです。

・筆記試験: 基本的な業務知識や安全管理に関する知識を問います。各分野で求められる専門用語や業務フローを理解しているかが評価されます。
・実技試験: 現場での実際の作業能力を確認します。たとえば、建設業であれば塗装や溶接の技術、介護業であればケアに必要なスキルを具体的に評価します。

多くの試験は会場での筆記・実技形式ですが、一部の業種ではオンラインでの筆記試験も可能です。また、指定された各国の会場で実施されることも多く、日本に入国する前に特定技能資格を取得することもできます。

よくある質問

Q.特定技能で働く際、技能実習制度との違いは何ですか?

A.技能実習制度は技能の習得を目的としていますが、特定技能は労働力として働くための制度です。また、特定技能では転職が可能であり、より幅広い職業選択が認められています。

Q.特定技能の試験はどこで受けられますか?

A.試験は日本国内および一部の海外地域で受験が可能です。試験会場は業種や実施機関によって異なるため、事前に開催地域と試験日程を確認してください。オンラインでの筆記試験を実施している業種もあります。

Q.日本語能力試験が必須ではない業種はありますか?

A.はい、一部の業種では日本語能力試験が必須ではない場合もあります。たとえば、建設業や農業などでは、業務上最低限の日本語能力があれば、必ずしも日本語能力試験の合格が求められないことがあります。

まとめ

特定技能は、日本での外国人労働者の就労を促進するために設けられた在留資格で、特定技能1号と2号の2つに分かれています。特定技能2号は1号に比べて、より高度で専門的な技能を持ちリーダー的な役割が求められる職種に適用されるものです。2023年の法改正によって、2号の対象となる業種が追加されました。今後さらに対象が拡大する可能性が検討されています。(既に別の在留資格「介護」にて無期限就労、家族帯同が認められるため特定技能2号には追加分野に上がっていません。)

特定技能2号では、在留期限がなく、家族の帯同も可能というメリットがありますが、その分、資格取得には高度なスキルや経験が必要です。2号の資格取得を目指すためには、原則として特定技能1号での実務経験を積むことが求められ、さらに指定された試験の合格が必要です。特に、建設や造船・舶用工業では、業務内容に応じた技能の証明が求められ、管理業務や作業品質の維持向上が担える人材としての評価がなされます。

特定技能2号の制度は、今後の外国人労働者の更なる受け入れと、長期的な雇用安定化を目指して拡充されています。これにより、技能実習からステップアップして特定技能に移行する外国人にとっても、長く働ける環境が整いつつあります。試験内容や要件の詳細については、出入国在留管理庁や各業種の指定試験機関から最新情報を確認することが重要です。

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