コラム

特定技能の受け入れ費用は?本人負担など費用の詳細や料金相場をわかりやすく解説

特定技能

2024/10/30
2024/11/2

特定技能制度は、人手不足の解消を目的として2019年に開始された制度です。人手不足に悩む企業は、特定技能外国人の雇用を検討してもしれません。現地で採用して来日してもらうケースでは、日本人を雇用するよりも、費用がかかります。
そのため、外国人の受け入れにかかる費用を把握したうえで、自社にとって費用対効果のある採用方針かどうかを検討しなくてはなりません。

この記事では、特定技能外国人の受け入れに企業が負担する費用を解説します。採用時や実際の受け入れ時にかかる費用を、それぞれの項目ごとに解説しているため参考にしてください。

特定技能外国人の受け入れにはどんな費用がある?

特定技能外国人を受け入れるときには、さまざまな費用がかかります。
受け入れ企業が負担する費用は、大きく分けると3つです。以下にかかる費用を一覧表にまとめました。

詳細 費用
特定技能外国人の採用費用 人材紹介にかかる手数料 10〜30万円/回
送り出し機関への手数料 10〜60万円/回
特定技能外国人の申請
・更新・支援の費用
在留資格の申請費用 10〜20万円/回
在留資格の更新費用 4〜8万円/更新のたびに
義務的支援の委託費用 2〜4万円/月
特定技能外国人へ支払う費用 入国時の渡航費用 5〜10万円/回
住居の準備費用 10〜30万円/敷金・礼金・保証金
給与・福利厚生 企業による
健康診断 1万円/回

以降では、「特定技能外国人の採用費用」と「特定技能外国人の申請・更新・支援の費用」、「特定技能外国人へ支払う費用」の詳細を解説します。参考にしてください。

特定技能外国人の採用費用

特定技能外国人を採用するときには、登録支援機関などに人材を紹介してもらうのが一般的です。その際、紹介手数料が発生します。
その他、送り出し機関を利用しなくてはならない国では、さらに費用がかかります。採用時にかかる費用を解説するので参考にしてください。

人材紹介にかかる手数料

  • 人材紹介にかかる手数料:10〜30万円/回

特定技能外国人は、企業が自ら人材を探し採用することもできます。ただ、戦力となる優秀な人材を確保したいときは、登録支援機関などを活用して、外国人を紹介してもらうのが一般的です。

この場合、紹介手数料がかかり、相場は特定技能外国人の年収の2〜3割となります。1名につき、だいたい10〜30万円が相場です。

また、採用マーケティングをおこなう広告代理店へ依頼する手段もあります。その際、indeedなどのポータルサイトへ出稿し、外国人を募集します。
ポータルサイト内の掲載位置や、クリック数にもよりますが、コンサル料は50万円程度をみておくと良いかもしれません。

登録支援機関は、現地に事務所を構え、外国人の母国に知見のある者が現地で採用していることが多いです。他にも研修などを実施し、人材のスキルや信頼性を確かめたうえで外国人を紹介します。

一方、広告代理店は、採用面接までは任せられるものの、研修を実施して外国人の能力を確かめることまでしないケースがほとんどです。人材の能力や人間性を見極められないと、採用後にミスマッチが発生するかもしれません。外国人の失踪につながるため、注意が必要です。

これを踏まえると、登録支援機関を活用して、自社とマッチする人材を紹介してもらうのが賢明な判断です。

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送り出し機関への手数料

  • 送り出し機関への手数料:10〜60万円/回

二国間協定を締結している国の外国人を採用する場合、国によっては受け入れる際に送り出し機関を使用しなくてはなりません。

現状、送り出し機関の利用が義務付けられているのは、次の国です。

  • フィリピン
  • カンボジア
  • ベトナム
  • ミャンマー

このとき、送り出し機関へ手数料を支払います。送り出し機関へ支払う手数料は、国によって差があるものの、10〜60万円程度です。

ちなみに、二国間協定では、特定技能で労働する外国人を、適切に送り出したり受け入れたりするためのルールを定めています。
両国で用意する資料の項目のルールを明確化し、今まで煩雑だった書類のやりとりがスムーズになりました。他にも、二国間協定により外国政府が母国の人材を管理、保護しやすくなりました。

二国間協定は、現状以下の16カ国と締結しています。

  • フィリピン
  • カンボジア
  • ネパール
  • ミャンマー
  • モンゴル
  • スリランカ
  • インドネシア
  • ベトナム
  • バングラデシュ
  • ウズベキスタン
  • パキスタン
  • タイ
  • インド
  • マレーシア
  • ラオス
  • キルギス

特定技能外国人の申請・更新・支援の費用

特定技能外国人の採用後は、在留資格の取得に関する費用がかかります。他にも法令で定められている支援に関する費用も必要です。

それぞれの詳細を解説します。

在留資格の申請費用

  • 在留資格の申請費用:10〜20万円/回

在留資格の申請にあたり、委託費用がかかります。申請は自社でもおこなえますが、用意する資料が膨大かつ煩雑です。
そのため、行政書士や登録支援機関へ申請を委託するのが一般的です。

申請書の作成委託費用は、10〜20万円が相場となります。また、費用を抑えるために自社での内製化を検討する企業も多いですが、推奨できません。

不備があったとき、申請が許可されず、修正に時間がかかります。その間に外国人が内定を辞退することもあります。

採用した人材をスムーズに受け入れるためにも、申請書の作成は委託するのが無難です。

在留資格の更新費用

  • 在留資格の更新費用:4〜8万円/更新のたびに

特定技能外国人は、以下のとおり在留資格の更新が求められます。

1号 2号
1年、6カ月、4カ月ごとのいずれか 3年、1年、6か月ごとのいずれか

1号は5年間の在留期間となり、2号にいたっては在留期間に上限がありません。ただし、在留資格の定期的な更新は必要です。
最低でも「1号の場合は年に1度」「2号の場合は3年に1度」の頻度で、更新の書類作成と、出入国在留管理庁への申請手続きが発生します。

こちらも企業が内製化するのは難易度が高く、行政書士や支援機関へ委託するケースが多いです。委託費用の相場は、4〜8万円となります。

義務的支援の委託費用

  • 義務的支援の委託費用:2~4万円/月

特定技能1号の場合、外国人が安定して就労できるよう、受け入れ企業には支援が義務付けられています。
職業、日常、社会との関わりに関する支援が求められ、支援計画書を作成しなくてはなりません。そして計画書に基づいた支援を提供します。

具体的な支援内容は、以下のとおりです。

<義務的支援の10項目>

事前ガイダンス 在留資格申請前に、労働条件や業務内容・入国手続き・保証金徴収の有無等を、対面かビデオ通話などで説明。
出入国する際の送迎 入国時に空港まで迎えに行き、職場、住居まで送迎する。帰国時も同様。
住居確保・生活に必要な契約支援 社宅を提供したり、銀行、携帯、ライフラインなど各種手続きの説明と同行。
公的手続き等への同行 社会保障・税などの手続きに同行したり、書類作成の補助。
日本語学習の機会の提供 日本語研修の用意、日本語学習教材の用意など。
相談・苦情への対応 他者からの相談や苦情について対応し、外国人へ助言。
日本人との交流促進 職場の同僚や近隣の人との交流を促進。
非自発的転職の支援 都合により雇用契約を解除する場合は転職先を探すのを支援。
定期的な面談・行政機関への通報 3ヶ月に1度は支援責任者と外国人で面談を実施し、困りごとを解決。
生活オリエンテーション 日本のルールやマナー、公的機関の連絡先、災害時の対応を説明。

(参照元:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」)

上記の支援は、企業の代表がすべておこなう必要はありません。各支援の責任者や担当者を儲け、分担しながらの遂行も可能です。

ただし、責任者や担当者になれるのは、過去2年で外国人の指導を適切に実施した実績がある人に限ります。他にも、出入国管理庁が認める人材でないといけません。

外国人を受け入れたばかりの企業は、十分な経験のある社員がいないため、支援機関へ委託するのが一般的です。費用は、外国人1名につき、2〜4万円となります。

特定技能外国人へ支払う費用

特定技能外国人を受け入れるときには、企業が外国人へ支払う費用も存在します。それぞれの詳細を解説します。

入国時の渡航費用

  • 入国時の渡航費用:5〜10万円/回

特定技能外国人は、主に飛行機を利用して来日します。その際の費用は、外国人が承諾していたら、企業が負担をする必要はありません。

ただし、二国間協定によっては、受け入れ企業が負担することを義務付けているケースもあります。その場合、送り出し機関が企業へ渡航費を請求します。

事前に説明がなかった場合は、どちらが負担するのか、送り出し機関へ確認しなくてはなりません。渡航費用の相場は、5~10万円となります。

住居の準備費用

  • 住居の準備費用:10〜30万円/敷金・礼金・保証金

外国人が日本に来てから、住居や電気・水道・ガスなどを自分で探して契約するのは難しいです。
受け入れ企業が、事前に契約を済ませなくてはなりません。賃貸物件の場合、契約時に初期費用が発生します。この費用は、企業側が負担することがほとんどです。

部屋の広さにも条件があり、7.5㎡以上(約4.5畳)の賃貸を選ぶ必要があります。ロフトは広さに含まれないため、物件選びの際は注意が必要です。

給与・福利厚生

  • 給与・福利厚生:企業による

受け入れ企業は、特定技能外国人を、日本人よりも安い給与で雇用することができません。同じスキルの日本人と同等の金額以上にすることが義務付けられています。

なぜなら、特定技能外国人に求められる技能水準は高く、すぐに即戦力となるレベルのためです。

水準として、以下の試験に合格する必要があります。

技能試験 日本語試験
・業種ごとの試験を受けなくてはいけない
・もしくは、技能実習2号・3号を満了した者
・日本語能力試験のN4以上
・もしくは、国際交流基金日本語基礎テストのA2レベル以上

技能試験の通過もしくは、技能実習2号・3号を満了していれば、専門知識が必要な業務に従事できるほどの技能があります。

また、N4、A2レベルの日本語能力も、職場で問題なく意思疎通できるレベルです。

N4 A2
・基本的な日本語は理解できる
・業務のメモなどひらがなや簡単な漢字は読んで理解ができる
・ややゆっくりと話せば会話を理解できる
・基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事などでよく使われる文や表現が理解できる
・簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換ができる
・自分の身の回りの状況などを簡単な言葉で説明できる

これらの高い能力が求められるため、報酬は日本人と同等でなくてはなりません。企業や業種により異なりますが、額面で22〜30万円が相場です。

もちろん、福利厚生も対象となります。「外国人は手当は施設利用を許可しない」などの差別とも取れるような対応をしてはいけません。

待遇の差があった場合は、在留資格申請が不許可となります。特定技能外国人を受け入れるときには、日本人と同じ待遇にしましょう。

健康診断費用

  • 給与・福利厚生:1万円程度

在留資格の申請時は、3ヵ月以内に発行された健康診断個人票の提出が求められます。
外国人が健康診断を受ける際の費用も、受け入れ企業側の負担です。健康診断費用は1万円程度かかります。

また、必ずしも日本で健康診断を受ける必要はなく、母国での受診も可能です。ただし、健康診断個人票で指定されている診断項目は、健診が求められます。

特定技能で本人負担になる費用

登録機関や送り出し機関への紹介手数料は必須でかかりますが、なかには事前に相談をすれば外国人本人に負担してもらえるものもあります。

特定技能外国人を受け入れるとき、本人負担にできる費用をまとめました。

渡航費用

次のケースでは、入国時の渡航費用を外国人に負担してもらえます。

  • 二国間協定で渡航費の負担について定められていない
  • 外国人が了承している

帰国時の渡航費用は、基本的には本人負担で問題ありません。

ちなみに「技能実習」では、企業側に渡航費用の負担を求められます。特定技能は、技能実習と比較して、費用を抑えられる可能性があるのがメリットです。

住居費用

住居の契約では、受け入れ企業が初期費用などを負担すると前述しました。ただし、次のケースの場合、外国人に支払ってもらえます。

  • 外国人がすでに国内に在住している
  • 外国人が「自分で用意できる」と申告している

この場合、費用は本人負担にできますが、以下などのサポートは必要かもしれません。

  • 7.5㎡以上(約4.5畳)の部屋かどうかを一緒に確認する
  • 契約時の日本語をサポート

毎月の家賃は、外国人に全額負担してもらって問題ありません。

特定技能の費用相場はどれくらい?

特定技能外国人を受け入れるときにかかる費用相場をまとめました。ケースによって費用相場が異なります。それぞれのケース別にまとめたので参考にしてください。

  • 日本国外に在住している外国人を採用するケース
  • 日本に在住している外国人を採用するケース
  • 技能実習2号から技能実習1号へ移行するケース
  • 建設業で採用するケース

日本国外に在住している外国人を採用するケース

最初に、現地で外国人を採用する場合の費用相場を紹介します。

手数料の種類 費用
送り出し機関への手数料 10〜60万円
入国時の渡航費用 5〜10万円
住居の準備費用 10〜30万円
人材紹介にかかる手数料 10〜30万円
在留資格の申請費用 10〜20万円
在留資格の更新費用 4〜8万円
事前のガイダンスなどの費用 2〜4万円
義務的支援の委託費用 年間24〜48万円
合計 75〜210万円

受け入れ初年度は、75万円以上かかります。

ただ、送り出し機関や登録支援機関によっては、複数の費用項目が、1つに統合されている場合もあります。

  • 人材紹介にかかる手数料が送り出し機関への手数料に含まれる
  • 事前のガイダンス等費用が在留資格の申請費用に含まれる

料金形態について、依頼する機関へ確認が必須といえます。

日本に在住している外国人を採用するケース

次に、国内在住の外国人を採用するケースです。

手数料の種類 費用
人材紹介にかかる手数料 10〜30万円
在留資格の申請費用 10〜20万円
事前ガイダンスなどの費用 2〜4万円
義務的支援の委託費用 年間24〜48万円
在留資格の更新費用 4〜8万円
合計 50〜110万円

日本在住の外国人を採用すれば、送り出し機関へ支払う手数料と、来日の渡航費がかかりません。国外在住の外国人を採用するよりも、25〜100万円程度安くなります。

ただ、国内在住の場合でも、外国人が住居の用意を望むことがあります。その際かかる費用は、10〜30万円が相場です。

技能実習2号から技能実習1号へ移行するケース

3つめは、すでに雇用している技能実習生が特定技能へ移行するケースです。かかる費用は、次のとおりです。

手数料の種類 費用
人材紹介にかかる手数料 10〜30万円
在留資格の申請費用 10〜20万円
事前ガイダンスなどの費用 2〜4万円
義務的支援の委託費用 年間24〜48万円
在留資格の更新費用 4〜8万円
合計 50〜110万円

人材紹介と送り出し機関にかかる手数料、渡航費用もかからないため、最も費用を抑えられます。

また、技能実習生が2号から3号へ移行する場合は、1ヶ月以上一時帰国しなくてはなりません。一方、技能実習2号から特定技能1号へ移行する際、一時帰国の義務はありません。継続して就労してもらえるのは大きなメリットです。

建設業で採用するケース

最後に、建設業で採用するときにかかる費用を紹介します。
建設業で特定技能外国人を採用するときは、団体への加入が義務付けられていて、費用が複雑になります。

手数料の種類 費用
人材紹介にかかる手数料 10〜30万円
国土交通省の申請費用 4〜8万円
在留資格の申請費用 10〜20万円
事前ガイダンスなどの費用 1.5〜4万円
義務的支援の委託費用 年間24〜48万円
業界団体の年会費 24万円(JACの場合)
受け入れ負担金 1.25〜2万円(JACの場合)
在留資格の更新費用 4〜8万円
合計 78万7,500〜144万円

建設業では、特定技能外国人を受け入れる際、国土交通省からの許可が必要です。この時、申請書類の作成費用が別でかかります。この手続きと申請は、出入国管理庁に在留資格を申請する前におこないます。

他にも建設業は、国土交通省によって定められた団体へ加盟しなくてはなりません。

たとえば、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)という団体では、年会費が24万円かかります。それとは別に、特定技能1名あたり1.25万円〜2万円の受け入れ負担金も毎月かかります。

特定技能の費用で注意するポイント

かかる費用を把握するときに、知っておくべき注意点をまとめました。

帰国時の渡航費も負担するケースがある

外国人が帰国するとき、何らかの理由で本人が渡航費を用意できないこともあります。その場合、可能な範囲で受け入れ企業が帰国にかかる費用を負担しなくてはなりません。

ルールが曖昧なため、帰国費用をどちらが負担するのかを巡り、トラブルになるケースがあります。トラブルを防ぐためにも、雇用契約時に説明しておくことが求められます。

食・居住・水道光熱費の請求は適性内に収める

企業によっては、外国人へ食事や住居をすべて提供しているかもしれません。その際、給料からかかった費用を差し引くケースが多いです。

ただ、ここで差し引く金額は、必ず適正内に収めることが求められています。

他にも、自社で所有している物件や、社宅・寮などの借り上げ物件を住居として用意する企業もあります。その際は、仲介手数料や敷金礼金、保証金は外国人へ請求できません。

外国人へ義務的支援にかかる費用を請求しない

法務省が公表する、特定技能外国人受入れに関する運用要領では、「直接的・間接的にも義務的支援にかかわる費用を外国人へ負担させてはならない」としています。

例えば、日本語研修にかかる費用を外国人に負担させたり、公的機関の手続きなどで同行する際の人件費を請求したりができません。

特定技能外国人の受け入れ費用を抑えるには?

特定技能外国人を受け入れるときには多くの初期投資が必要です。経営状況によっては、「少しでも費用を抑えたい」と考えるかもしれません。費用を抑える方法を紹介します。

受け入れ方法の工夫

受け入れ方法を工夫することで、費用を抑えられる可能性があります。特定技能外国人を受け入れる方法は、大きく分類すると次の3つです。

  • 海外から受け入れる
  • 日本国内にいる外国人を受け入れる
  • 自社で雇用する技能実習2号の外国人に特定技能1号へ移行してもらう

海外から外国人を受け入れると、次の3つの費用が必須でかかります。

送り出し機関への手数料 10〜60万円
入国時の渡航費用 5〜10万円
住居の準備費用 10〜30万円
合計 25〜100万円

国内に居住する外国人を採用すれば、25〜100万円程度、費用を抑えられます。

また、雇用中の技能実習2号の外国人を特定技能1号へ移行させることで、人材紹介費10〜30万円の削減も可能です。

発生する費用を、受け入れ方法別にまとめました。下表を参考にして費用を抑えられる採用方法を把握してください。

海外採用 国内採用 技能実習からの移行
人材紹介手数料 必要 必要 雇用者の場合不要
送り出し機関への手数料 必要な国がある 不要 不要
在留資格申請費用 必要 必要 必要
在留資格更新費用
義務的支援委託費用
入国時の渡航費用 契約により必要な
場合もある
不要 不要
住居の準備費用
給与・福利厚生 必要 必要 必要

リファラル採用

自社で雇用する外国人に求職者を紹介してもらえれば、人材紹介費用を抑えられます。この採用方法を「リファラル採用」といいます。

外国人は同じ出身国同士で、コミュニティを作っていることが多いです。求人していることを外国人に伝えれば、それらのコミュニティで声をかけてくれるかもしれません。また、実際に働く外国人から、職場環境や条件などを詳細に伝えてもらえるため、採用後のミスマッチも防げます。

職場環境に満足し、定着している人材であれば、「仲間に仕事を紹介したい」と思うかもしれません。費用を削減したい場合は、雇用している特定技能外国人へ相談してみましょう。

支援を自社で内製化する

「義務的支援業務」は、登録支援機関へ依頼することで、年間24〜48万円の費用がかかります。ただし、この支援業務は、条件さえ満たせれば自社で対応でき、費用削減につながります。

以下が条件となります。


① 以下のア・イ・ウのいずれかに該当すること
ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の受け入れ又は管理を適正に行った実績があり、かつ役職員の中から、支援、責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任していること(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)
イ 役職員で過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の生活相談等に従事した経験を有するものの中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること
ウ ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で、役職員の中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること
② 外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること
③ 支援状況に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
④ 支援責任者及び支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと
⑤ 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
⑥ 支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していること
⑦ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

(引用元:法務省「特定技能制度の現状について」)

条件のポイントをまとめると、次のとおりです。
専任の「支援責任者」と「支援担当者」が義務的支援を実施
「支援責任者」と「支援担当者」は過去2年の間で、3ヶ月以上の在留期間がある外国人の相談に対応していること
「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
母国語での支援

(引用元:法務省「特定技能制度の現状について」)
条件のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 専任の「支援責任者」と「支援担当者」が義務的支援を実施
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は過去2年の間で、3ヶ月以上の在留期間がある外国人の相談に対応していること
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援
  • 「支援責任者」と「支援担当者」は直属の上司や役員以外の人が担当
    母国語での支援

条件に合う人材が社内にいないケースが多く、内製化のハードルは高いといえます。

まとめ

特定技能外国人を受け入れる時の費用相場を、ケース別に解説しました。現在日本に滞在している外国人を採用できれば、費用を抑えられます。
また、採用した外国人の支援業務を自社で内製化することも、費用削減の選択肢です。ただ、内製化の条件は厳しく、担当者の工数もかかります。登録支援機関へ外注するのが現実的かもしれません。
自社の予算とリソースにあった方法で採用を進めてください。

@カイゴでは、人手不足に悩む介護福祉事業者さまへ、外国人を紹介しています。貴社専任の担当者が現状の悩みを丁寧にヒアリングし、外国人労働者の採用をサポートします。採用業務から就職後の管理や支援業務まで一気通貫して対応可能です。

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貴社のニーズに合わせ、
最適な人材をご紹介いたします。

まずばお気軽にお問い合わせください。