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高度人材ポイントを使って永住申請をするには?計算方法も紹介

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2025/3/12
2025/3/12

日本で永住権の取得を目指す高度外国人材にとって、「高度人材ポイント制度」を活用した申請は永住するための近道です。通常、日本での永住許可を得るには10年以上の在留期間が求められますが、高度人材として一定のポイントを満たせば、この期間が大幅に短縮される可能性があります。
本記事では、高度人材ポイント制度の仕組みや計算方法、永住申請の具体的な要件について詳しく解説します。

高度人材ポイント制とは?

高度人材ポイント制とは、日本で高度な知識やスキルを持つ外国人材を積極的に受け入れるために導入された制度です。この制度を利用することで、優秀な外国人が日本での活動をしやすくなり、日本社会や経済の発展に寄与することが期待されています。

高度人材ポイント制の目的

高度人材ポイント制の目的は、国内の人材供給だけではさまざまな分野の需要を満たすことが難しく、かつ優秀な外国人材が日本で活躍しやすい環境の整備をすることです。この制度の活用で、海外の高度人材が日本を選びやすくなり、国内産業の発展や技術革新を促進することが期待されています。

また、高度人材の受け入れは単なる労働力確保だけではなく、日本経済の国際競争力を強化する狙いもあります。グローバル市場では、高度な専門スキルを持つ人材がイノベーションを生み出し、新しい産業を育成するカギとなります。そのため、日本企業が世界で競争力を維持・向上させるためにも、国際的な視点で優秀な人材を呼び込むことが重要です。

制度が導入された背景

高度人材ポイント制は、2012年に導入されました。それ以前は、外国人が日本で長期的に働くには、厳格な在留資格要件をクリアする必要があり、手続きの煩雑さが大きな障壁となっていました。結果、日本は優秀な外国人材の獲得競争で、他国に後れを取る状況が続いていました。

欧米諸国や韓国、シンガポールなどの国々では、優秀な外国人を積極的に受け入れるための制度を整備しており、魅力的な就労環境を提供しています。一方、日本の制度は画一的で柔軟性に欠けており、高度人材にとって魅力的な選択肢とはなりにくかったのです。

こうした状況を改善し、国際競争力を高めるために生まれたのが高度人材ポイント制です。高度人材ポイント制度の仕組みは、外国人の学歴、職歴、年収、研究実績などをポイント化し、一定の基準を超えた場合に優遇措置を受けられる、という流れを採用しました。この仕組みにより、特に高度な専門技術を持つ外国人や、研究・経営分野で活躍する人材の優先的な受け入れが可能となりました。

さらに、優秀な人材を迎えるため、2023年4月からは、「特別高度人材制度(J-Skip)」が導入されました。これまでの高度人材ポイント制とは別に、学歴又は職歴と、年収が一定の水準以上であれば「高度専門職」の在留資格が付与されます。これにより、「特別高度人材」として現行よりも拡充した優遇措置を認めることとなりました。

高度外国人材が受けられる優遇措置

高度人材ポイント制を活用すると、さまざまな優遇措置を受けることができます。たとえば、通常の在留資格と比較して審査が迅速化され、スムーズに在留資格を取得できます。高度人材と認定されると、高度専門職1号または高度専門職2号の在留資格が付与され、活動範囲の幅が広がるのが大きなメリットです。

さらに、高度人材ポイント制の適用を受けると、以下のような特典も得られます。

  • 配偶者の就労制限の緩和
  • 親の帯同が可能
  • 家政婦の雇用が可能
  • 複数の在留資格にまたがる活動が可能

高度人材ポイント制を活用すれば、日本での生活やキャリア形成がしやすくなるだけでなく、家族もより良い環境で暮らせるというメリットがあります。そのため、多くの優秀な外国人材がこの制度を活用し、日本での定住を目指しています。

高度人材に対するポイント制の仕組み


高度人材ポイント制を活用するには、一定の基準を満たさなければなりません。
では、高度人材ポイント制の評価基準や仕組みについて詳しくみていきましょう。

ポイントの評価基準

高度人材ポイント制では、外国人の能力や経験を数値化し、一定の基準を満たした場合に特典が与えられます。評価の対象は、学歴、職歴、年収、資格、研究業績、語学力が主なものです。これらの要素を総合的に評価し、一定の基準を超えると「高度外国人材」と認められ、在留資格の優遇措置を受けられる仕組みとなっています。それぞれの評価基準は、次のとおりです。

評価基準
学歴 博士号を取得している場合、最高ランクのポイントが付与
・修士号を取得している場合も加点対象
職歴 ・経験年数が長いほどポイントが加算対象
・職種や業界も評価の加算対象
年収 ・高収入のほどポイントが加算対象
・経済的に安定した高度人材を優遇
資格 ・国家資格などがあると加点対象
・国際的に認められた資格(IT関連資格、金融関連資格など)や日本語能力試験(JLPT)N1の取得も加点対象

高度人材ポイント制は、単に学歴や職歴だけでなく、専門知識や技能、日本社会への適応度など、総合的な評価を基にポイントを算出する仕組みになっています。

活動分野別のポイント区分

高度人材ポイント制では、主に3つの活動分野に分けられています。

  1.  高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」:本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動
  2. 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」:本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
  3. 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」:本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動

日本が積極的に受け入れるべき高度外国人材とは、国内の資本や労働と補完関係にあり、代替が難しい優れた人材です。さらに、産業にイノベーションをもたらし、日本人との競争や協力を通じて専門的・技術的な労働市場の成長を促し、国内の労働市場の効率向上に貢献できる人材が求められています。

高得点による永住申請期間の短縮

通常、外国人が日本で永住権を取得するには10年以上の在留が必要とされていますが、高度人材ポイント制を活用すれば10年という期間が大幅に短縮されます。

以下のようなポイントに応じて、永住申請が可能な在留期間が短縮されます。

  • 70点以上のポイントを取得した場合、3年の在留で永住申請が可能
  • 80点以上のポイントを取得した場合、最短1年の在留で永住申請が可能

高度な知識や技術を持つ外国人材が、日本で長期的に活躍しやすい環境が整えられています。その結果、イノベーション創出や技術力の向上に貢献できる人材が、日本の経済や産業のさらなる発展につながります。

高度人材の永住申請手続き

高度人材と認定された外国人が、日本に居住するためには永住申請が必要です。永住権を取得することで、在留資格の更新が不要になり、就労や生活の自由度が高まります。くわえて、高度人材ポイント制を活用した場合、通常の永住許可要件よりも短い在留期間で申請が可能となるため、優秀な外国人材がより早く日本に定着しやすいです。

それでは、永住申請に必要な基本要件や提出書類、高度人材ポイントを活用した申請の流れ、審査時の注意点をみていきましょう。

永住申請の基本要件と必要書類

高度人材として日本で長期的に活躍するためには、永住許可の取得が重要なステップとなります。ただし、永住申請には、一定の条件を満たす必要があり、審査を通過するための適切な準備が欠かせません。永住申請の基本要件について、以下の条件を満たしているか確認をしましょう。

安定した収入:直近の年収が一定以上であること
良好な素行:法律を遵守し、犯罪歴がないこと
日本での滞在期間:高度人材ポイントによる短縮が適用可能

必要書類は、在留カード、住民票、納税証明書、職務経歴書などが求められます。

高度人材ポイントを活用した申請の流れ

高度人材ポイント制を活用すると、通常よりも短い在留期間で永住申請が可能です。スムーズに申請を進めるには、必要な手続きを正しく理解し、事前に十分な準備が重要です。
高度人材ポイントを活用した申請の流れは、以下のとおりす。

  1.  高度人材ポイントの確認:自身のポイントを計算し、基準を満たしているか確認
  2. 在留資格の取得:高度専門職の在留資格を申請
  3. 在留期間の更新:一定期間滞在し、高ポイントを維持
  4. 永住申請の準備:必要書類を揃え、申請を提出
  5.  審査と結果通知:入管の審査を経て、永住許可が下りる

永住申請では、安定した収入と納税状況が特に重視されます。過去に税金を滞納した履歴があると、審査に影響を与える可能性があるため、申請前に確認が必要です。また、日本での生活態度や社会貢献も評価されるため、地域活動に参加することもプラスに働きます。

採用サポートは「@カイゴ」

外国人の採用は、在留資格の取得や手続きの煩雑さ、言語や文化の違いへの対応など、多くのハードルが存在します。

@カイゴ」は、そうした課題を解決するために、外国人採用をサポートし、特定技能や技能実習の採用支援や適切な人材マッチングから書類作成、入国後のフォローまで一貫してサポートします。外国人雇用を成功させるための強い味方となってくれます。詳しくは「@カイゴ」の公式サイトをご覧ください。

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まとめ

高度人材ポイント制は、一定の基準を満たせば在留期間の短縮や各種優遇措置を受けられ、さらに、70点以上で3年、80点以上で1年の在留で永住申請が可能となる大きなメリットのある制度です。高度人材ポイントを活用すれば、審査の面でも優遇されるため、よりスムーズな取得が可能です。

今後も、労働市場での高度外国人材の役割はますます重要になっていきます。優秀な人材が日本で活躍しやすい環境を整えることは、経済成長や技術革新の推進にもつながるでしょう。

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